繊細で他人を気を使う人や物事に対して一生懸命に取り組むタイプの人って思いやり過ぎるあまり自分自身がパンパンに張り詰めてしまい苦しくなってしまいます。物事に対して完璧であろうとするのもまた然りで、アーティストさんの作品に対しての思いが激し過ぎると自身がパンクしてしまうと言う状況に陥ります。レコーディングの際もアーティストさんの精神的プレッシャーを除きリラックスさせつつテイクを重ねるといった方法が良く行われます。あさ美さんや乃里絵さんのレコーディング時に思うのですが…と言うかレコーディング時の拘り、独特な方法の話になりますかね。レコーディングの時に何テイクか録音して出来の良い部分をつなぎあわせていく、若しくはきれいな部分をはりあわせる等で形を整えていく方法が使われます。とても効率的なこの方法、実はNanohanAでは使われません…使えないのです。あっ…決して機材の問題ではありませんよ、僕の技術と機材はそこらのエンジニアリングスタジオには負けませんので(笑)…話を戻して。NanohanAの曲はイントロが始まり歌いだしの一行からエンディングの最後の音、一行ひとつまでがひ
とつのストーリーとして出来上がっていきます。NanohanAはヴォーカルの技術力は優れているわけではありません。下手に技術や声量等で歌い上げると歌が台無しになります…だから心を込めて一小節ずつ語りかけるように歌うわけです。少しずつ重ねあわせてあわせるように一曲を歌っていくわけです。だから途中から…とか、この部分だけ…等のダビングは出来ないのです。始めに書いたアーティストさんの感情コントロールが無理無く出来るからこそのスタイルなのでしょうね。