以前ちょっとしたライブ等の打ち合わせで あるタウン広報誌の記者の方とお会いして しばらく雑談したりしていたのですが、次の取材が某ロックギタリストさんで、勉強や下調べはしてきたものの、あまりそのジャンルに詳しくないので 同行してくれると助かるんだけど…と言われまして。実は大好きなバンドのリードギタリストなので、内心ウキウキワクワクしてかなり舞い上がってたんですけど、僕もそんな業界人の端くれだと思われてますのでドキドキを悟られないようにしながら同行させてもらいました。ギターやアンプのセッティングの事や曲のソロパートの音やフレーズの作り方やら色々とお伺いいたしました。その後のライブにもご招待いただき、終了後の打ち上げにも参加させていただき明け方まで盛り上がりました。打ち上げ半ばにはすっかりと意気投合、かなり気に入っていただきまして酒の飲めない僕に対してベロンベロンの状態の師匠は「渋谷!お前は本当にモノがわかってる良いヤツだぁ〜」とか「ヨシ!次のアルバムはお前が叩け〜!」とか超酩酊状態で、周囲は逆に危険を感じるように(笑)なりました。そろそろ御開きに
しましょう…と、なりマネージャーさんも解散にしますのでお疲れ様でした、となった時に「おい!渋ちゃん、友情の証しにこれやるから持っていきな〜!」師匠(ギタリストさんですよ)からエレキギターを渡されました。えっ! やるよ と簡単に言われて戴くにはチョイとばかり高価過ぎる代物なんで丁寧にお断りするも「お前、友情が芽生えたと思ったのに無にするんか!」と目が据わった状態でご立腹の様子です。挙げ句の果てには「一度くれてやると言ったのを引っ込めるわけにはいかねぇ!しぶがいらねえって言うなら、この場で叩き壊す!」と 言い出す始末。マネージャーさんの「この場はとりあえず持っていって下さい」に甘えて、お借りします!と、お預かりしました……まだ携帯電話やパソコン等が無い時代です。連絡もなかなか取れず広報誌の記者の方に取り次いでいただいり、事務所の方に連絡入れたり、レコード会社さんに聞いてみたり…様々な手段使いましたが返却することが出来ずにいました。人間と言うものはすぐに自分に甘くなるものです。「くれると言ったんだからもう俺のguitarだよね」三か月もすると僕は数
十万円のguitarのオーナーになっていました。だけど万が一傷でも付けたら等考えると、なかなか弾いてみよう、と言う勇気もありませんでしたが、つい先日、ある事がきっかけになり、デモレコーディング等のリハーサルセッションの時にきちんと調整して、弦張り直して弾いてみました。今まで聴いた事の無い…出した記憶の無い凄い音がしました。まさに魂が宿る響き 思わず涙がでました。弾いてみたきっかけですか? それは…またの機会にお話します。