…盆に想う…

とても有名だったドラマーの方、何人かと懇意にしていただいた事があります。事がある…と 過去形なのは、その方々みんな鬼籍に入られてしまっているからです。日本の方々ならば知り合いだったんだ、と言ってもさほど不思議ではありませんよね。ところが外国の有名ドラマーだったら『なんで、お前が知り合いやねん?!』 そんなツッコミがすかさず入るでしょうね。実は十代の頃に某音響システム関連の会社でアルバイトしてまして、コンサート会場の設営や音響システムのリハーサル等こなしておりました。多少英語もこなせましたせいでしょうか?何故か外タレ(外国アーティスト)の楽屋の世話とかもやってました。ある時、コンサートで来日中の、僕が心の中で師匠とあがめる某大物ドラマーにケータリングのランチを届けることになりまして、役得とばかりにサインをして貰おうとドラムのヘッド(叩面、いわゆる皮の部分)を持っていきました。「君もドラマーなのかい?」ニッコリ笑いながらの問いかけに、舞い上がりながら 「ええ、あなたが目標です、でも、まだ〇〇〇〇さん程度しか叩けませんけど…」と 返しまし
たら(〇〇〇〇はこのドラマーがレコーディングの時に喧嘩したギタリストで、プレイに関しての言い争いになり、ああじゃねえ、乞うじゃねえ言うならお前が叩いてみろ!とギタリストに啖呵きった事のジョークです) 「ならば良いベーシストになれるよ」と言ってくださいました。リハーサルが終わった後も機材を運んでる自分達を気使いくださりとても気さくに接してくださいました。後日ドラムクリニックのゲストの際にもお会いしましたら 覚えていてくださり「新しく日本のメーカーと契約が出来てセットを作ってもらえる事になったんだ。今回のクリニックではそっちを使うから、これはお前にあげるよ。」と スネアをひとつ、いただきました。今でもレコーディングやライブに必ず使う大切な宝物です。一打一打に重みがあります。ラディック#402…未だにこれ以上に良い音のスネアドラムに出会った事はありません。