僕はもともとスタジオミュージシャンでした。と 言っても安いカラオケテープやアイドルやポップスシンガーの仮歌の伴奏を作る為のバンドマンです。日当制でスタジオ…と言っても物置程度の広さのブースに入りヘッドフォンから流れるクリックにあわせて譜面どおりにドラムを叩くだけでした。自分の演奏は何かに使われているはずです。でもプレイヤーとして名前がでるわけではありません…と 言うより 誰のどの曲に自分のプレイが使われていたのかすらわかりません。様々なフレーズをプレイしてレコーディング終了! ぶっ通しだと四時間くらいでしょうか…ただの労働ですよね 音楽ではなく。だけど他のスタジオでレコーディングしてるテレビや雑誌で拝見するあのミュージシャンやあのシンガーやらに、廊下ですれ違いざまに「お疲れ様で〜す」やら「おはよ〜ございます」って挨拶かわされる快感!♪ えっ!?俺ってミュージシャンなの?やっぱり♪ みたいなイイ気になりますよ そりゃあ(笑) ただ天狗にならずにいたのは実力勝負って自覚していたのと あるオーディションでのディレクタ
ーからのありがたい一言が有ったからです。えっ! その一言ですか? 「渋谷さぁ、実力的には申し分ないんだけどなぁ〜ルックス…顔がよくねぇんだよな」 いつか誰かに言ってみたい……そんなこと ないです。