カサカサババア

通勤の同時間帯の電車の同じ車両に乗ってくる中年の女性がいらっしゃいます。いつも和菓子屋さんの手提げの紙袋を持って乗ってくるのですが何故かくしゃくしゃのコンビニやスーパーのレジビニール袋が十数枚入っていて、座席に座るとそれを出してはたたみ一枚終われば次の一枚をまた出してたたみ…これを繰り返します。朝の電車内ってみんな本や新聞を読んでいたりスマホを覗いてたり意外に静かでして、自分も睡眠タイムを取りたいと思っているところに、レジ袋のクシャクシャ音がやたらと耳障りでイライラさせられます。朝からストレス全開じゃあ!と思い翌日は別の車両に乗るとまたしてもレジ袋クシャクシャ音が…ババア 引っ越して来やがったかぁ〜… 俺の朝の瞑想タイムを台無しにしてくれるなよ!デリカシーの無い貴様の行動が、もしかしたら生まれるかもしれない感動の名曲を…等々 とてもストレスを溜めさせてくださいます。何度か遭遇する彼女をいつしか僕は妖怪カサカサババアと呼ぶようになりました。しかし…悪口は慎むベきです。今日カサカサババアは僕の隣りに座りました。え〜?!マジかよ〜!という僕の心の声を嘲笑うか
の如く紙袋から出したレジ袋を一枚一枚丁寧にたたみだす妖怪。カサカサ クシャクシャ カサカサ クシャクシャ ガサガサ ガシャガシャ…エンドレスで続く不快音… たまらずバックからミュージックプレイヤーを取り出して隣りの音をシャットアウトするべくインナーホンを両耳にぶち込んで朝には不似合いなサウンドに身をゆだねる事数分間…カサカサババアに肩口を突っ突かれました。何事?と思い顔を向けた僕にババアは一言。『あんた、周りに迷惑だから音下げなさい。』