アーティストさんのレコーディングが終了するとそれぞれのトラックの音圧等の調整を行なった後、ミックスダウンと言い、レコーディングした各トラックのバランスを取りながらひとまとめにしていきます。言葉にすると簡単ですが結構厄介な作業なんですよ、これが。仮にギターやピアノにボーカルのみのシンプルなものだとしても、厄介さは変わりません…むしろ音数が少ない分、きめ細かさにより神経を注ぎます。良く聞かれる質問なんですが、この時にボーカル自体の編集も可能です。極端な話、音程の上げ下げも可能ですし、下手なボーカルだとしても音をあわせる事も出来てしまいます。全て自分の意思のまま…その音源に関しては自分の思うまま、神の如く振る舞えるわけです。 ライブでの再現不可能なサウンドにもできたりします(笑)。でも僕自身はアーティストさんやディレクターの意向を重視して音を作っているのが多いです。『えっ!これじゃ駄目だろう?』って思う事も多いですし、センス悪いんじゃない?…と思いつつも、引き受けた以上は相手の希望に沿ったミックスをつくります。その点 ボスの意向や依頼は明確です。『ボーカ
ルは聴き手の真正面、ど真ん中、センターから聞こえるように。余計なリバーヴやエフェクト等の小細工はいらない』 ボーカリストの声がしっかりと聴かせられるならば極端な話バッキングの音等は不要! このような要請に対して心踊らぬエンジニアはいないでしょう。最近のゆゆ美さんの活躍をみるにつけ、ボスやネミューに、微力ながらかかわる事が出来て とても自分は幸せモノだと思います。今後ともよろしくお願いいたします。